TBSの火曜ドラマ枠にて、2025年10月7日(火)よる10時スタート。
原作は谷口菜津子さんによる同名漫画。
本作は、“恋人のために料理をしてきた彼女”と、“料理は女性の仕事”と考える男性”という価値観のズレから始まる物語を、ユーモアと感情で描く再生ロマンスコメディ。
脚本は安藤奎氏が担当。
あらすじ(ネタバレなし)
都心で同棲を続けていたカップル、海老原勝男(竹内涼真) と 山岸鮎美(夏帆)。
勝男は、“料理は女性が作るもの”という古風な価値観を持つ典型的な亭主関白思考の男性。彼の理想の食卓は、鮎美の手料理で彩られる毎日だ。
ある日、勝男は長年準備していたプロポーズを決行するが、鮎美は「無理」とそっけなく返答し、二人は突然別れを迎えてしまう。
別れを機に、勝男はこれまで当たり前だと思っていた価値観と向き合うことになる。
一方で、鮎美も「恋人ファースト」で身を捧げてきた自分自身を見つめ直し始める。
この第1話は、そんな二人のズレと痛みの片鱗を、料理や日常のしぐさを通して丁寧に提示する導入部となっている。
登場人物・キャスト紹介
- 竹内涼真|海老原勝男(えびはら かつお)
亭主関白的な価値観を引きずる男性。プロポーズ直後の別れをきっかけに価値観を問い直す主人公。 - 夏帆|山岸鮎美(やまぎし あゆみ)
“恋人ファースト”を信じて尽くしてきた女性。勝男のプロポーズを断り、別れを選択。その後、自分らしくあろうと決断を模索する。 - 中条あやみ|柏倉椿(かしくら つばき)
勝男がマッチングアプリで出会う女性。明るく率直で、勝男にとって良き相談相手となる存在。 - 青木柚
本作のキャストとして名を連ねる参加者。 - 前原瑞樹|白崎ルイ
勝男の後輩社員。料理が得意で、勝男との価値観の違いが浮き彫りになる存在。 - サーヤ(ラランド)
吉井渚役で出演。勝男・鮎美の周囲に関わるキャラクター。 - 楽駆・杏花・池津祥子・菅原大吉
脇を固めるキャスト陣。他にもさまざまな人物が物語に厚みを加える。
感想|「じゃあ、あんたが作ってみろよ」第1話を見て感じたこと
ドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」第1話を観て、まず最初に感じたのは、海老原勝男役の竹内涼真さんのキャスティングが見事だったということ。
彼のルックスは明らかに“モテ男”なのに、昭和の価値観を引きずる“男らしさ”全開の言動が、現代の感覚では完全にアウト。そのギャップが滑稽で、むしろユーモラスに描かれていて、見ていて思わず笑ってしまうような場面も多かったです。
一方、夏帆さん演じる山岸鮎美は、“恋人ファースト”でひたむきに支える理想のパートナーとして描かれていましたが、その姿はまさに、かつての「完璧な女性像」。しかしこのドラマが面白いのは、勝男の後輩や周囲の人物たちが、それはもう時代に合わないというメッセージをしっかり伝えている点です。価値観のズレを、人物の対比によって巧みに見せていました。
物語の後半では、プロポーズを断られた勝男が、自ら料理に挑戦する展開に。「じゃあ、あんたが作ってみろよ」というタイトルの通り、彼が鮎美の代表料理“筑前煮”を作るまでの奮闘は、まさに不器用な男の再出発を象徴するシーンでした。
よくある展開ながら、第1話で完結感のある構成だったことで、視聴後の満足度も高かったです。
今後は、勝男の成長とともに、自由になった鮎美の人生がどう描かれていくのかが気になります。特に、彼女が新しい環境でどう変化していくのか。そしてそれを知った勝男がどんなリアクションを見せるのか……次回以降の展開が楽しみでなりません。
また後輩演じる前原瑞樹さんの好演が光ってました。彼は朝ドラ「らんまん」でも素敵なキャラクターを演じていたので今後も期待です!
全体として、「逃げ恥」や「私の家政夫ナギサさん」などを彷彿とさせる、TBSらしいホームヒューマンコメディの香りを感じました。
ただ本作は、谷口菜津子さんの原作漫画をもとに、劇団アンパサイドの安藤奎さんが脚本を手がけている点もポイント。今後、王道の“癒し系ドラマ”とはまた違ったひねりや化学反応が生まれることに期待したいです。